- 一生懸命に振ってるんだけどヘッドスピードがあがらない
- 力はあるほうなんだけど、ドライバーショットが思ったほど飛ばない
ドライバーショットの醍醐味はフェアウェイに向かって爽快にかっ飛ばすことですよね。
こんにちはクラブフィッターのナオです
20年以上ゴルファーのクラブ選びをサポートしています
女子プロゴルファーは身長150センチ台の選手でも220~260ヤードのドライバーショットを放ちます。
よく男子プロはヘッドスピードが速すぎて参考にならないと言われますが、ドライバーのヘッドスピードが50m/sを超える選手は多数います。
その点、女子プロゴルファーのドライバーのヘッドスピードは40~43m/sくらいのスピードの選手が多く、一般男性の平均的なヘッドスピードと同じくらいです。
そんなことから自分と近いヘッドスピードでパワーもそんなに強くないと思われる女子選手が参考にされるのでしょうね。
では実際に女子プロゴルファーがどの様に少ない力で効率よく飛ばしているか、使用しているクラブについても解説します
効率のいいインパクト
飛距離を伸ばす3要素を意識して改善します。
ミート率 打ち出し角 バックスピン量
もちろんサイドスピン(フック、スライス)が少ないことが条件です。
ゆったりスイングで世界でも活躍した宮里藍選手のデータを参考にしてみます。
身長は155cm、ドライバーのヘッドスピードは平均40m/sくらいで、サイドスピンが200くらいと少ないドローボール。
バックスピンは2400回転ほどで打ち出し角は約15度位。
平均距離は230ヤード位、飛んだ時で240ヤードにせまるくらい。
(注)オフの期間、ブリヂストンのクラブ調整のためにサイエンスアイという計測器でとったデータです。計測器の違いや実際の試合でのデータとは誤差はあります。
ドライバーのヘッドスピードが40m/sで220ヤード飛べば相当効率はいいのですが宮里選手は240ヤード近くのショットも出ています。
5球打ったデータを見たのですがどれも同じ高さ、曲がり幅できれいにそろっていました。
特に優れていた点は、ミート率(ヘッドスピードの何倍でボール初速が出ているかの数値)が1.48くらいと非常に高く、アマチュアゴルファーの平均ミート率を大幅に上回っています
ミート率は1.40を超えてくると結構効率のいいスイングとされていますが、1.48はプロでもなかなか簡単に出ない数値です。
さすが世界で活躍するだけのことはあります。
ミート率を上げる
インパクトでのクラブヘッドの軌道とフェースの向きを直角に合わせる
サイドスピンを極力少なくしボール初速アップを目指します。
スライスする方はスライス回転をフックボールが出る方はフックの回転を少なくします。
カットスイングの方は軌道に対して真っすぐ飛ぶ球、すこし左サイドにまっすぐ飛ぶボール。
インサイドアウトのスイングの方は少し右サイドにまっすぐ飛ぶ球を目指します。
インパクトで当たり負けしないように、コックがある程度キープできると更に初速は速くなります。
打ち出しが高くバックスピンの少ない球を打つ
男子プロの様にヘッドスピードが速い場合は打ち出しが少し低く浮き上がっていくような球でも飛距離は出ますが、女子プロ選手は高めの打ち出しでバックスピンの少ないボールを打って飛距離を稼いでいます。
バックスピンを減らす方法
クラブフェースの真ん中よりやや上部でインパクトする
簡単にバックスピンを減らす方法として、クラブフェースの真ん中よりやや上部でインパクトする方法があります。
フェース上部でインパクトするとクラブヘッドは上を向きボールの打ち出し角が上がり、それに連動してボールにかかるバックスピンが低下します。(ギア効果と言います)
フェースが開いてインパクトする方はどうしてもフェース下部にヒットすることが多く、ボールにバックスピンが多くかかってしまいます。(ギア効果)
意識してフェース上部でインパクトするかフェースをターンさせて上部にヒットさせます。
クラブヘッドをインサイドアウトのアッパー軌道で動かす
スイング自体を変えていかないといけない場合が多いでしょうが、少ない力で飛ばすには最も効率のいい打ち方で女子プロゴルファーの多くが採用しているスイングでもあります。
(注)リスクとしてチーピンやフックがきつくなる場合があります。
以前、ゴルフメーカー主催で新商品のゴルフクラブを試打するラウンド会があったころ、あるメジャーな女子プロゴルファーと1ホールだけラウンドさせていただきました。
その方は身長は153cmでヘッドスピードもあまり速くなかったと記憶しています。
私はスイング改造のためにインパクトでフェースが若干オープンのカットボールを打っていました(先に言い訳です)
1番ホールで私が真ん中にナイスショットを放ちました。(240ヤード位の飛距離でした)
次に女子プロゴルファーの方がゆったりしたきれいなスイングからペコっと迫力のない(失礼ですね)ドライバーショットを打ちました。
ほとんど曲がりのない軽いドローボールだったと思います。
セカンド地点に行ってみるとなんと、まずまずのスピードで飛び出していった私のボールより5ヤード位前に彼女のドライバーショットで放たれたボールがあったのです。
女子プロ選手の打った球は当然ミート率も高かったのでしょうが、それ以上にドローンとした重たそうなバックスピンの少ない球でした。
私の打った球が落ちてからピタッと止まったのに対して、彼女の打った球は落ちてからランがかなり出ていました。
バックスピンが少なく打ち出しが高い球を打てるとヘッドスピードが速くなくても十分な飛距離を出すことができます。
そのラウンド経験の後から私もバックスピンに注意してスイングをし、飛距離アップに成功しています。
女子プロゴルファーの使用クラブを参考にする
2021年の国内女子ツアー賞金ランキング上位者、有名選手の使用ドライバースペックを調べてみました。
試合ごとに細かくスペックを変えているプロもいるので参考程度に見てください。
(注)掲載商品はプロ仕様と近いスペックの商品です
稲見萌寧選手
キャロウェイ マーベリック サブゼロ (ロフト10.5度)
シャフト THEアッタス 5 フレックスS 45.25インチ
古江彩佳選手
ブリヂストン B1ドライバー(ロフト10.5度)
シャフト フジクラ スピーダーNX50 フレックスS 45.25インチ
小祝さくら選手
ダンロップ スリクソンZX5(ロフト9.5度)
シャフト ツアーAD PT5 フレックスS 45.0インチ
西郷真央選手
ミズノ ST-X220ドライバー(ロフト10.5度)
シャフト フジクラ ベンタスブルー フレックスS 45.5インチ
西村優菜選手
キャロウェイ ローグST プロトタイプ(ロフト9度)
シャフト フジクラスピーダーNX50 フレックスSR 45.0インチ
勝みなみ選手
ダンロップ スリクソンZX7 (ロフト9.5度)
シャフト 三菱ディアマナPD50 フレックスS 45.25インチ
原英莉花選手
ローグST LS (ロフト9度)
シャフト ツアーAD GP 45.75インチ
上田桃子選手
キャロウェイ エピックスピード プロトタイプ (ロフト10.5度)
シャフト ツアーAD PT-6 フレックスSR 45.0インチ
渋野日向子選手
ピン G410プラス (ロフト10.5度)
シャフト フジクラ NX50 フレックスS 44.75インチ
以上女子プロゴルファーの使用ドライバーでした。
効率のいいスイングをしている頂点のゴルファー達が使っているクラブですので是非参考にしてみてください。
ヘッドスピードが速くなくても力がそんなに強くなくても、女子選手の様に飛距離を出すことはできます。
スイングの研究やクラブの選び方の勉強をして、普段飛距離で負けている友人やライバルをドライバーショットでオーバードライブし、あっと驚かせてみるのも楽しみのひとつですよ
最後までお付き合いいただきありがとうございました。