「20年ぶり、いや30年ぶりにゴルフを再開するんだけどゴルフクラブってよくなってるの?」
こんな質問を受けることが最近よくあります。
最新型のドライバーって昔のクラブと比べてどれだけ飛ぶようになったんだろう?
30年以上前のドライバーのヘッドはパーシモン(柿の木)で今のヘッドと比べると半分以下の大きさで、総重量もかなり重めなものでした。(ドライバーの平均重量は今が290gくらいで昔は350gくらい)
そこから2000年代に入りヘッドの素材がメタル→チタンに変わりヘッド体積は大きく、総重量はどんどん軽くなってきます。
ヘッド体積はパーシモンヘッドが約180㎤、現在のモデルは460㎤と2.5倍以上になっています。
クラブメーカーが研究を重ね制作してきたドライバーです。
反発規制に負けず実際にどれくらい進化したのか、現行モデルピンG425ドライバーは他の機種を何ヤードオーバードライブするのか?
古いドライバーをそのまま使っても大して飛距離はかわらないのか?
こんにちはクラブフィッターのナオです。
20年以上ゴルファーのクラブ選びをサポートしています
10年前20年前30年以上前に発売されて人気モデルだったドライバーを3機種を集めて、現行モデル(ピンのG425)と実際にドライバーのヘッドスピードを同じくらいにして(44~46m/s)筆者が打ち比べ検証してみます。
検証に使用したクラブは、シャフトの硬さ重さをなるべく同じようなものを使用しています。(パーシモンのシャフトのフレックスは記載がなくわかりませんでした。振動数を調べた結果かなり硬いシャフトでした)
検証クラブのデータ
レアものです。
小さいですね~、現代の5Wくらいに見えます
1980年代主流のHONMA EXTRA パーシモンヘッド
ヘッド体積約180㎤ 総重量353g 長さ43.75インチ
2001年人気モデル テーラーメイドR360Ti なつかしい~
この当時はでかいヘッドだなーって思ってたけどそんなでもないですね
ロフト9.5度 シャフト FTG+ツアー(ミツビシ)フレックスS
ヘッド体積360㎤ 総重量316g 長さ44.5インチ
2011年発売モデル ヤマハ インプレスV202 ツアーモデル これもなつかし~
ロフト10度 シャフト ランバックス TYPE X(フジクラ)フレックスS
ヘッド体積415㎤ 総重量316g 44.5インチ
最新型モデル ピンG425LST 近代的ですね~
ロフト10.5度 シャフト ピンオリジナル ツアー65 フレックスS
ヘッド体積445㎤ 総重量314g 長さ45.25インチ
懐かしく人気だったクラブがそろっています。
パーシモンは重量が重いのでクラブの長さが短くなっています。
テーラーメイドR360ドライバー、ヤマハ インプレスV202ツアードライバーは当時私も愛用していたクラブです。
実打の結果
H/S | 初速 | BS | 飛距離 | |
EXTRA | 42.6 | 61.9 | 3548 | 238 |
R360TI | 44.4 | 64.6 | 2672 | 249 |
V202ツアー | 43.8 | 64.0 | 2120 | 252 |
G425LST | 45.5 | 66.3 | 2075 | 262 |
それぞれ5球ずつ測定器スカイトラックで打った平均データです(H/Sはヘッドスピード、BSはバックスピン)
G425LST圧勝です。
1機種ずつ詳しくデータを見ていきます。
ホンマゴルフ EXTRA パーシモン
総重量が重くシャフトが短いせいもあってヘッドスピードが出ません。
特筆すべきはボール初速の遅さとバックスピンの多さです。(初速平均61.9 バックスピン平均3548)
特にバックスピンはドローボールを打った時でも3500くらいと多く(適正は打ち出し角度にもよるが2000回転前後)少しボールがふけあがった状態になっています。
打感はボールが引っ付く感触があり心地がいいですね。
距離は予想通り(平均238ヤード)で昔のプロゴルファーはこのパーシモンヘッドで250~260ヤード以上飛ばしていたのですから脱帽です。
テーラーメイドR360Ti
ヘッドスピードは総重量がパーシモンモデルよりはだいぶ軽くなりシャフトも長くなったので上がっています(平均44.4m/s)
高反発ヘッドの影響かボール初速も速めです(平均64.6)
ポイントは球がよくつかまることでした。
ドロー系のボールが多く中にはフックボールも出ていました。
ヘッドが360㎤と小さいのでターンしやすいのでしょう。
フックがかかりやすい割にはバックスピンが多く少し高めの弾道が目立ちます。
距離は平均で249ヤードとまずまずの飛距離ではないでしょうか。
ヤマハ インプレスV202ツアー
ヘッドスピード、ボール初速はテーラーメイドR360とあまり変わらず(ヘッドスピード平均43.8m/s ボール初速64.0)
ポイントはバックスピンが少ないことです(平均2120)
このころから機能的にバックスピンを減らす傾向が出てきたのですね。
曲がりもパーシモンやテーラーメイドR360と比べて左にドローする度合いが減っています。
たたいても左に行きにくいモデルだったので当時私も長く愛用していました。
平均飛距離は252ヤードです。
ピン G425LST
やっぱり飛ぶ
ポイントはシャフトが長いせいもありヘッドスピード、ボール初速ともに一番(ヘッドスピード平均45.5m/s ボール初速平均66.3)
バックスピンが少ない(平均2075)
このモデルもあまり左にいきません。
ピンのヘッド(G425MAX、G425SFT、G425LST)の中でも最もバックスピンがかかりにくく左に行きにくいモデルなので私の打ち方にはピッタリ合っています。
平均飛距離は262ヤード。
結果
パーシモンヘッドはお遊びで入れてみましたがやはり現行モデル、 ピンG425LST が最も飛んでくれました。
ゴルフのクラブメーカーはアマチュアゴルファーが1ヤードでも飛距離を伸ばすことができ、簡単に使いこなすことのできるクラブを開発するために日夜研究開発をしてくれています。
現行モデルが飛ぶようになっているのは必然なのかもしれません。
もちろん自分に合ったシャフト、ヘッドでないとクラブのポテンシャルをいかしきれないのでしっかりとフィッティングして使用するクラブを選んでください
最後までお付き合いいただきありがとうございました。